どうしてなんだろう、と。
あんなに良い人などいないはずなのに。
なぜだろうか。

「お前は知るわけねぇな」
「恋次!!」

話しかけてきたのは国王の執事である恋次であった。

「なんで貴様が私の思っていることを知っているのだ?」

ルキアは不思議そうに聞く。

「バーカ。全部声に出てたぜ?」
「・・・・・・」

その言葉に、自分が相当考えていたことに気づく。

「10年前・・・」
「はっ?」
「10年前、この城と交流があるくらい大貴族がいた」
「ああ。聞いたことがある。確か日番谷家というのではなかったか?しかし、それは暴落したはずだが・・・」

ルキアは不思議に思った。
なぜ、今その話が出てくるのだろうかと。

「そうだ。その家とこの城は交流があった。まぁ暴落するまでの話だが」
「それは知っている」
「その家に桃姫と同い歳の少年がいた。そいつが姫の幼馴染で、とっても仲が良くてな。つまり、その少年が姫の思い人らしい」
「そうか・・・」
「まぁ、今はそこそこ上の身分らしい。警察官をしていると聞いた」
「警察官だと!?」

この国では警察官という職業は高い身分とされている。
貴族の少し下ぐらいなのだ。

「ああ。王が言ってたからな・・・」
「では、結婚することは無理ではないはずでは無いか!!」

そうなれば話は別だ。

「いや。実は問題があってな・・・」
「問題?」
「いや・・・その・・・」
「はっきり言え」

言いながら恋次を蹴る。

「痛って!・・・まぁこの話は一部の者に伝えられているもので、あまり大きな声でいえねぇんだよ・・・まぁいいや。耳貸せ!」

そしてルキアに耳打ちする。

「なん、だと・・・?」
「言うなよ、桃姫には」
「ああ・・・」

そして二人は急いで部屋に向かった。


+あとがき+
注:この小説は恋ルキではありません。
まぁ話の設定上、最初のほうは日雛どころか、日番谷出てきません。
ほら、恋次がルキアに耳打ちした『問題』です。
それについても、ちょっとずつ小出しにしていきますw
気長にお待ちください。


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