[夜啼者]
「日番谷くん!!」
夜、私は公園に行く。
「雛森」
大好きな彼に会うために。
「今日は何処に連れてってくれるの?」
「商店街に行くか?」
「うん!!」
行き先を決めて、いつものように彼の自転車に乗る。
彼に捕まると、自転車は走り出す。
風を切りながら彼と話をする。
一番好きなひととき。
「お前、昼間来れば、もっと色んな所に行けるのにな」
いつもの彼の呟き。
これを聞く度、現実に引き戻されたようで悲しくなる。
「無理なの。昼間は忙しいから・・・」
「そう、か・・・」
ごめんなさい。
私は貴方に嘘を付いています。
本当は忙しいんじゃない。
昼間はこの姿でいられないの。
この呪いがかけられている限り。
昼間は兎で、月夜の晩に呪いが解けて人間になれるの。
貴方が好き、愛してる。
だけど、結ばれてはいけないから―
いつか本当のことを言う。
その時まで、このままで―
+あとがき+
完全なパラレル。
雛森は呪いをかけられた人間という設定です。
だから本当の姿は人間なんです。
不思議というか謎な話を書いてみたくてこうなりました。
いつか長編で書いてみたいなぁ。
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