「もう!日番谷くん!!」
外へ出た雛森は、まっすぐに木に向かった。
「おう、雛森」
日番谷は相変わらず、読書を続けていた。
「おう、じゃないよ!!!何してるの!授業中だよ!?」
「自習。お前こそなにしてるんだよ」
「うちのクラスも自習・・・国語だったのになぁ」
言いながら日番谷の隣に腰を下ろす。
「お前、国語好きだな」
「うん!!!だって将来は国語の先生になるんだもん!!!」
「ふーん・・・」
「・・・もう、学校だからって素っ気無いなぁ。天才児ってイメージ、壊したくないの?」
「別に。そんなのどうでも良い」
「だよね。日番谷くんだったらそう言うと思った」
雛森は笑って言う。
成績優秀、運動神経抜群なことは入学当初から知っていた。
寧ろ、昔から知っている。
雛森より下のはずなのだが、勉強は教えられる側だった。
その度に、「お前馬鹿か?」と言われていたのだ。
「今日、何時に帰るんだ?」
本に目を向けたまま、雛森に聞く。
「6時くらいかな。課外あるし」
「じゃあ待ってる」
「うん」
雛森は笑顔で言う。
いつも約束は雛森からしていて、初めて日番谷から誘ってもらえたから。
「なんか嬉しい」
「何がだ?」
「こうやって一緒にいるの」
「・・・・・・あぁ」
「・・・忘れてないよね?約束・・・」
「・・・当たり前だろ」
「良かった・・・」
雛森は日番谷に寄り添いながら言う。
『先生になる』
叶うかどうかは分からない。
否―
叶えてみせる。
二人でずっと一緒にいるために―
それを思い出しながら、雛森は目を閉じる。
おいおい・・・と日番谷は思ったが、口には出さずに読書を続ける。
この時間が二人にとっては心地良かった。
正午頃の出来事だった。
+あとがき+
教パロ(学生時代)ver.
教パロでは書けないような話が書けて楽しい。
恋ルキの二人の会話を書くのが少しずつ楽しくなってきたなぁ。
また出したいなぁ。
MENU