[栗〜あるからこそ楽しめる〜]

「はい」

雛森は袋を差し出す。

「は?なんだこれ」
「栗だって!浮竹隊長に、日番谷くんに渡してくれって頼まれたの」
「ふーん・・・」

中を見てみると大量の栗が入っていた。

「沢山あるね。これなら栗料理が何でも食べられね!!」

栗金団に、栗ご飯に・・・と指折りで数えていく。

「そうだな」
「料理するの楽しみ!!」
「それは良かったな」

日番谷にとってはあまり嬉しい物では無いが、雛森が喜んでくれるから良いかと思っていた。

「うん!!!」
「上手いの作れよ?」
「勿論!そうだ、浮竹隊長にもお裾分けしなきゃ」
「浮竹に?」
「うん!!だって分けてくれたお礼もしなきゃいけないじゃない」
「・・・まぁな」
「それに、乱菊さんにもお礼にあげて」

沢山のお世話になっている人の名前を挙げていく。

「・・・・・・はぁ。・・・好きにしろ」

諦めた日番谷は、執務室の隣の資料室に入っていった。

「あ・・・・もう。焼かなくていいでしょ!!!!」

雛森はその行動に焼いたのだと思い、頬を膨らませて怒る。
あの人は分かっていない。
自分はこうも沢山思ってるのに。
資料室のほうをじーっと見る。


資料室。
雛森の怒る声はちゃんと聞こえる。

「・・・俺だけが楽しめればいいんだよ」

そう呟いて、資料を探す。


この後、耐えられなくなった雛森が泣き出してしまい、日番谷が慌てることになるのだが。


+あとがき+ 短いな;;;
小話より少し長い程度。
一応、季節物シリーズの一つです。
ギン乱無しは、このシリーズでは寂しい;;;



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