暫くして、梨を持って雛森が戻ってきた。
「いっただきまーす!!!」
「いただきます」
二人は爪楊枝を刺して、梨を口に運ぶ。
「美味しいね」
「おう」
この日番谷の応対に雛森は違和感を感じる。
雛森は日番谷が不機嫌だということに気がついた。
「ねぇ、仕事忙しいの?」
「別に」
「・・・寝不足?」
「別に」
「・・・じゃあなんで不機嫌なの?」
他に思い当たることがなくて直接聞く。
「別に」
「別にじゃないよ!!!」
「・・・・・・」
「それとも梨おいしくないの?」
「別に」
何を聞いても「別に」しか言わない日番谷に雛森は考える。
「なんか私に怒ってるの?」
「・・・・・・」
「あ、そうなんだ!はっきり言ってよ!!」
私、何かしたっけ?と日番谷に尋ねる。
「・・・・・あれ」
言って日番谷が梨のほうを見る。
「梨?・・・って、もしかして・・・」
「・・・・・・」
「私が勝手に言ったこと怒ってるの?」
「・・・・・」
「だって日番谷くん葡萄のとき、暑いって騒いでたから迷惑と思ったんだよ!!!」
「・・・別に迷惑じゃない」
「え?」
「言えば付き合ってやる」
「・・・・・・・・・」
そう日番谷が言ってくれたことが雛森は嬉しかった。
気にしてくれていたなんて。
雛森は微笑んだ。
梨のおかげで楽しいときを過ごすことが出来たのだった。
+あとがき+
季節もの果物シリーズ第三段!!
なんか似たような話になってきた(汗
もうちょっとパターンを増やせるように頑張りたいと思います。
MENU