ああ―
お前と出会ってもう何年経つのだろうか
[桃色の空]
「シロちゃん!!」
「シロちゃんて呼ぶなって、いつも言ってるだろ!」
「いいじゃない!!」
「良くねぇ!!」
いつもこれだ、コイツは。
俺を子供扱いしやがる。
寝小便桃の癖によ。
でも―
そんな奴でも何故か隣が居心地が良いと思っちまう。
それはあの春の出会いが原因なのだろうか。
そう。
その出会いは春。
場所は春らしくひらひらと桜の花びらが舞い落ちる。
俺は誰も一緒に暮らす人がいなくて、毎日さまよっていた。
そう。
そのとき俺は1本の桜の木に惹かれてずっとそこにいた。
何故か分からなかったが。
そこに現れたのが、
「何してるの?」
桃だった。
俺に一緒に暮らそうと誘ってくる。
桃は俺が引き離すようなことを何回言っても諦めなかった。
それどころか「ねぇ、一緒に暮らそう?」と誘ってくる。
NEXT