日番谷は氷を持って五番隊へ向かっていた。
目的は勿論、雛森に会うためだった。
「その前に台所を借りて・・・」
着いて、共同の台所へと入る。
中に入ると、隊員がいて「日番谷隊長!!!お疲れ様です!!!」と声をかけてきた。
「おう」
「今日も雛森副隊長のところに持っていくかき氷を作りにいらしたのですか?」
「ああ」
「きっと今日も喜んでいただけますよー」
隊員の話を聞きながら、氷を削り始める。
最近、日番谷は雛森にカキ氷を持って会いにいっていた。
それは暑いのもあるが、何より雛森が笑顔で受け取って食べてくれるからだ。
食べ物を一切口にしない日もある、と卯の花に聞いた日番谷は、何か無いだろうかと考え、思いついたのがこれだった。
最初の頃はそれしか自分には出来ないという無力さを感じていた。
だが、最近では「おいしい」と言って自分に向けて微笑んでくれたり、いろいろなことを話してくれるようになった。
雛森に会うのが楽しみになっていることに気がついたのは、始めてから数日後のことだった。
今日もとても楽しみだった。
いつものように桃のジュースをかける。
雛森の大好きな味―
スプーンを持って雛森のもとへと向かう。
いつものあの彼女の笑顔を見るために―
+あとがき+
カラブリを読んで、実は一番書きたいと思っていたカキ氷ネタ。
雛森ちゃんに持っていってほしいなぁ、という勝手な妄想です、はい。
やちるちゃん初登場です。
最近は新しいキャラにチャレンジすることが多くなったなぁ。
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