第15話[決意を胸に秘め]

「・・・ん・・・」
桃は目を開けた。
「ここは・・・」
天井を見るところ、見慣れた自分の部屋だった。
「私、一体・・・」
桃は、自分が一体どうして部屋にいるのか分からず混乱してしまった。

「お倒れになったのですよ」
「・・・・・・ルキア・・・?」
部屋の入り口から声が聞こえて、体を起こす。
見ると、ルキアが立っていた。
恐い顔をして。
「廊下なんかで・・・」
「・・・・・・廊下・・・?・・・あ・・・」
桃はルキアの言葉で思い出す。

そうだ、自分は倒れたのだ。
史郎からの発言で、衝撃が走ったのを思い出した。
・・・そうか、今までのはすべて夢だったのか・・・。
ようやく納得する。

「・・・・・・全く・・・白哉様が、起きたら王室に来るようにとの伝言ですよ」
その言葉に桃は驚いた顔をした。
「お父様が?」
「はい。着替えて行って来て下さいね」
そう行って、ルキアが部屋を出た。

「・・・何、あの態度」
呟いて、頬を膨らませながら、ベットから出る。
あれは100%怒ってる―
ああなったルキアは、ほっとくのが一番だ。
そう決めて、桃は着替え始める。
着替えて廊下に出ると、ルキアがいたが会話は無かった。
そのまま白哉のもとへと向かう。


王室の前に着き、ルキアはその前に立つ。
「失礼します、王様。姫がお目覚めになりましたので、お連れしました」
「・・・入れ」
「失礼します」
桃は開けてもらった後、白哉を見て言う。
緋真は不在であった。

「・・・大丈夫なのか」
「はい・・・」
白哉と二人で話すのは殆ど無く、桃は緊張する。
「「・・・・・・」」
暫しの沈黙が流れる。

やがて、白哉が口を開いた。
「史郎のこと・・・聞いたのか?」
その言葉に、桃はドキッとする。
「・・・はい・・・本人からお聞きしました」
嘘はつかず、素直に告げる。
「そうか・・・それなら話は早い」
「え?」
白哉の言葉に、さらに鼓動が高鳴る。
「桃・・・彼を諦めなさい」


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