私の恋は単純だった
出会って 一緒に過ごして
この気持ちが分からなくて悩む―
絵本や物語のような恋をしてた
そんな私に 彼は答えてくれた
あの時の嬉しさは何にも変えられない
きっと―
第12話[冬光]
「初めまして、我々は日番谷と申します」
出会いは突然だった。
季節は冬で、何も無くて、退屈してた頃のことだった。
「ん?お前が姫か?」
私が彼の声を初めて聞いた言葉だった。
「・・・・・・そうだけど」
「ふーん・・・姫って、もっと可愛いと思ってた」
「えっ!?」
「こら冬獅郎!!!なんてことを言うんだ!!!」
「・・・ふん」
態度がでかくて、少し意地悪なことを言う人だった。
でも、何故か嫌いではなかった。
「ねぇ」
「なんだよ」
「貴方の名前は?」
「・・・日番谷冬獅郎」
「冬獅郎・・・シロちゃんだね!!!」
「なんだよシロちゃんって!!!」
「良いじゃない!!!あ、私は桃だよ!!!」
とびっきりの笑顔で言ってみた。
それに彼は顔を赤くしていた。
「・・・ふーん・・・。良い名前だな・・・」
「え・・・?そう?ありがとう!!!」
「お、おう・・・」
でも、優しいところもちゃんと持ってる人だった。
それを感じていたから嫌えなかったのかもしれない。
毎日が新鮮だった
友達でいると思ってた
だけど 遊んでるうちに それはいつのまにか恋へと変わっていた
そう―
私にとって忘れることの出来ない日に―
+あとがき+
過去話その1。
出会いを中心に。
過去編は、桃姫語りになってます。
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