第11話[残酷な現実]

「えっ!?どういうこと!?」

桃は史郎の「一体なんですか?」という言葉に動揺していた。
何故そんな言葉が出てくるのか理解できなかった。

「どういうことって・・・」
「あんなに遊んでたじゃない!!!」
「いや・・・でも、覚えてなくて・・・」
「嘘・・・・でしょ・・・・?」

桃はショックを受けた。
まさかこんなことになろうとは。
どうなってしまったのか分かっているけど理解したくなかった。

「・・・ごめんなさい。どうやら記憶が無いらしくて・・・・」

つまり記憶喪失になってしまったということだ。

「・・・・・・」
「・・・ごめん」
「・・・嫌よ」

桃はあまりにも衝撃的な事実に涙を流していた。

「え・・・?」
「いやよ!!!あんなに楽しかったのに!!!それを忘れるなんて酷いよ!!」
「・・・・・・・・・」
「約束守って、ずっと待ってなのに!!!会えないのを耐えてきたのに!!!」
「・・・ごめんなさい」
「謝ったって変わらないわよ!!!」

桃は泣き叫んだ。

「・・・ごめんなさい!!」
「・・・もう、シロちゃんなんて知らないから!!!」

桃はそのまま空中庭園を飛び出して、廊下で泣いていた。
「どうして・・・なのよ・・・・・」

桃は呟き、そのままその場に倒れてしまった。
あの楽しかった―冬獅郎との思い出を思い出しながら―

+あとがき+
というわけで。
十話かけて『問題』がついに判明です。
この案内編はかなり悩んで書きました。
なにしろ大事な話ですから。
史郎くんのときの口調が分からず;;;;
掴める様に頑張りたいです。

次回より過去話。


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