第10話[突然]
「凄い・・・」
「でしょ?」
桃は史郎を空中庭園に招いていた。
ここは桃が白哉と緋真から初めて貰った誕生日プレゼントだった。
そして冬獅郎と遊んだ思い出の場所。
冬獅郎がいなくなり、イヅル王子と会ったときからこの場所を訪れることもなくなった。
誰にもこの場所を知られたくなかったから。
彼との思い出の場所を踏まれたくなかったのだ。
でも彼ににている史郎ならと思ってここへ入れた。
「うーん・・・」
「どうしたの?」
桃はいきなり唸りだした史郎に首を傾げる。
「私の話聞いてくれますか?」
「勿論だよ!!!てか、改まらなくていいよ?」
いきなり改まった彼にさらに首を傾げる。
「私、ここに来たことがあるのでしょうか?」
「は?」
桃は思いも寄らない発言に驚いてしまった。
口をあんぐり開けたままだった。
「いや、あの、その・・・王から聞きまして・・・」
「え?」
「昔、ここにいて、あなたと遊んでいたことがあると」
「・・・・・・・・・」
その言葉を聞いた瞬間に桃は固まってしまった。
遊んでいた人といえば一人しかいない。
まさか、まさか―
「そんなわけ無いですよね」
史郎が振り向いた瞬間、彼の服からペンダントが顔を出す。
それを見た瞬間、桃は目を疑った。
「それ・・・」
「このペンダントのことですか?昔から持っていたんですよ」
「・・・・・・・・」
彼が身につけているペンダントは彼にあげたものだった。
「もしかして・・・シロちゃんなの?」
「え?今なんと?」
「シロちゃん、・・・・・・っ日番谷くん!!!」
桃は史郎に抱きついた。
十年ぶりの再会が嬉しかった。
「シロちゃん?日番谷くん・・・って一体・・・」
次の瞬間、彼から出た言葉にまた固まることになってしまうのだった。
+あとがき+
史郎=冬獅郎だったのさ。
ということで実際は3話から本編登場を果たしてました。
ネタバレ防ぐため必死だったよ!!!
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