第7話[ウルサ国]

「お久しぶりですな〜桃姫」
「お久しぶりです、ギン様、乱菊様」

城に着き桃は恋次と共に国王と王妃に会いに向かった。

「今日はゆっくりしていってくださいね」
「はい、ありがとうございます」
「恋次、久しぶりね」
「お久しぶりです、ギン様、乱菊様」

恋次も挨拶する。

「この国から出て行ってもう10年も経つんやな〜。その間にこんなに大きくなってもうて・・・。驚いたわ」
「いえ、10年前は父が申し訳ありませんでした」

桃は首をかしげた。
その話を一度も聞いたことが無かったからだ。
気になって聞こうとしたが、振り返った恋次が桃を見たためやめた。
これは、後で話す、という合図なのだ。

「・・・それでは1時間後に食事会を行いますので、それまで城の中をご覧下さい」

近くにいたウルサ国の執事がそう言ったので、二人は城内を探索することにした。

ウルサ国の城の庭。
桃と恋次は二人並んで散歩をしていた。

「10年前・・・このウルサ国で反乱が起こったんっすよ」
「知ってるわ。たしかあの日番谷家の暴落した年と同じだったわね」

不思議なことに何故か日番谷家の暴落とウルサ国の反乱は同じ年の、しかも同じ時期に起きた。
サエティ国の王である百哉もおかしいと話していたのを思い出した。

「そのとき俺の父親はな、ウルサ国の王の執事をしてたんだよ。それがウルサ国が滅びそうだからって逃げ出したんだよ」
「裏切ったって事?」
「まぁそんな感じだな」
「でもルキアは幼馴染だって言ってなかった?」
「あぁ・・・アイツも同じような理由で出てきたんだよ」
「ふ〜ん」
「さ、そろそろ行こうぜ」
「うん」

二人は公務をこなすため中に入った。

その頃。

「どういうことですか!?白哉様、姉様!!!」

サエティ国の王室ではルキアが王と王妃に問いつめていた。

「何の話だ?」
「とぼけないでください!!桃姫様にあのことをお話したんでしょ!?一体何のつもりで・・・」
「ルキア?これは桃が幸せになるためなのよ?」
「し、しかし!!!」
「このままイヅル王子と幸せになったところであの子が可愛そうだ」
「それは・・・そうですが・・・」
「いいのですよ。姫と言っても一回ぐらい恋させなくてはね。それに・・・・」
「それに?」
「緋真、ここまでにしよう。桃の誕生式典の準備をしなくては」
「そうですね・・・」
「・・・・・・・・・?」

その夜。
桃は無事に公務を終え、サエティ国に戻ることが出来た。
数日後の誕生式典に心を高鳴らせながら眠りについた。



+あとがき+ あんまり動いて無いですな。
しかし後々この話は重要に・・・・・・・なるかならないかは微妙です(え
次回より、ついに桃姫誕生式典!!!
いろいろ重要なので頑張って書きます。


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