第4話[嬉しい知らせ]

イヅル王子にキスされた次の日の朝。
桃はいつものように朝食を摂っていた。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・どうかなさいましたか?」
うかない顔をしている桃にルキアは声をかける。
「・・・イヅル王子が無理矢理キスしてきたの」
「あら、それはよかったですね」
「なにがよ!!無理矢理って言ってるでしょう!?聞こえなかったの!?嫌って言ってたのに・・・」
「桃姫様いい加減になさってください!!!」
「絶対嫌!!!」
むすーっとした顔のまま朝食を摂り続ける。
そこへ。
「桃姫様!!!」
メイドの一人が入ってきた。
「うるさいですよ」
ルキアが厳しく叱る。
「すいません、なにしろ急ぎでして」
「なんですか?」
桃は怒るルキアを無視し、メイドに話を聞く。
「はい!!!!!今日の正午に王様と王妃様が共に昼食を摂らないか、とのことです」
「それは本当ですか!?」
桃は喜ぶ。
いくら父と母でもほとんど会うことができないのだ。
「はい。そのとき大切なお話があるそうです」
「分かりました。それで場所は?」
「メインの食事場だそうです」
「分かりました。必ず参りますと伝えてください」
「かしこまりました」
メイドは伝言を伝えるため、部屋から出て行った。
「何ヶ月ぶりかな・・・。お父様とお母様にお会いするのは・・・」
桃は目を輝かせながら言う。
「それはよろしいですが、桃様。きちんとすべて済ませてから行って下さいね」
「分かっています」
桃は嫌そうに答える。

それから桃は勉強や公務などをしっかりこなした。
頭の中は父と母に会えることの喜びでいっぱいだったが。
胸を高鳴らせながら食事場へ向かった。


+あとがき+
本当は2話に持ってくる予定だった話。
予定変更で4話になりました。
ルキアがかなり恐いですな。
まぁそれは『問題』を知られないためですから。
次回は王との対話です。


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