第2話[3人の支配者]
城の王室。
「緋真・・・」
「なんですか?白哉様?」
「なんだったかな」
国王・白哉と王妃・緋真。
桃姫の父母である。
「分かってますよ。桃のことでしょう?」
「ああ・・・」
「どうしてか、と思っているんでしょう?」
「ああ。彼と結婚すれば桃は幸せだと思った。だからイヅル王子を婚約者にしたんだ」
「ええ。でも桃はそれを嫌がってますね。それだけ冬獅郎君を愛してるんですよ」
「しかし、彼は・・・」
白哉は緋真の言葉に反論する。
「きっと桃なら大丈夫。私はそう信じている」
「・・・・・・・・・・・・・」
白哉はその言葉に溜息を吐く。
緋真の曲げない信念には困る。
「それはいけません」
「誰だ」
そう扉に向かって問うといきなり開け放して入ってきた。
「ボクですよ、王様」
「イヅル王子ですか」
イヅル王子。
桃の婚約者。
桃に好意を抱いている。
「桃姫はそんな男のことなんてどうでもいいんです。僕との結婚を望んでいる。早く結婚したいです」
自分の理想をぶつける。
「いや。少し待ってくれ」
「なんですって!?」
「こちらの準備が整っていない」
「まさか、姫に彼を会わせるなんて「黙れ!!!」
白哉は怒鳴った。
「桃の準備、それも必要だ。本当に桃が結婚したいと思っているかしっかり考えたい」
「そんな・・・」
「もう下がれ」
「はい・・・・」
イヅルはさっさと出て行った。
「いいのですか?あんなこといって」
ふと、緋真が言った。
「ふん。知らん。というより私はあいつが気に入らん」
「自分で選んでおいて、ですか?」
「当初は良いと思っていたが、話してみればそこらへんの男と変わらない」
「・・・・・・・・」
「そうだ。今度桃の誕生式典に彼を呼ぼう。そして桃を試そう」
「そうですね」
「もしも、桃が試練を乗り越えたら結婚させよう」
「きっと桃なら乗り越えますよ」
「よし。早速準備をしよう」
慌しくなる王室。
一方、イヅル王子は「なぜなんだ・・・」とつぶやきながら城から出て行った。
そして桃姫もまた、不満を抱きながら朝食をとっていた。
それぞれの思いを乗せ、時間は流れていった。
+あとがき+
注:この長編小説は白緋ではありません。
こんな注意書きがいる長編なんてどこに存在するんでしょうか。(笑
メインが揃ってない時点でまずいんだろうな;;;;
一話から言ってますが、設定の問題なんです。
気長にお待ちいただけたら幸いです。
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